スタッドレスタイヤは雨の日に弱い?濡れた路面とドライ路面での注意

雨の路面を走る車と冬用タイヤ、スタッドレスタイヤの雨の日の注意を紹介する記事タイトル

当サイトは国土交通省・警察・JAF・日本自動車タイヤ協会(JATMA)など公的機関や団体の公開情報と、自動車・タイヤメーカーの公式情報をもとに編集部が独自に執筆しています。タイヤのサイズや指定空気圧、締め付けトルクは車種・年式によって異なるため、お乗りの車の取扱説明書や車体の表示で確認してください。冬用タイヤの規制やチェーン規制は道路・地域・時期で変わるため、お出かけ前に道路管理者や警察の最新情報を確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

冬のあいだ、雪より雨の日のほうが多い地域もありますよね。『スタッドレスって雨の日は滑りやすいって聞くけど、本当なの?』と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、スタッドレスタイヤは濡れた路面では夏タイヤより止まるまでの距離が長くなる傾向があります。雨の日は速度を落とし、車間距離を広くとるのが基本なんです。

まずはタイヤの溝にプラットホームが出ていないか、空気圧が指定どおりかを確かめてみてください。この記事では、雨に弱い理由と場面ごとの注意を紹介します。

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目次

スタッドレスタイヤは雨の日に弱い?

先に結論

スタッドレスタイヤは雪や氷の上で止まることを優先したタイヤです。濡れた路面や乾いた路面では、夏タイヤより止まるまでの距離が長くなる傾向があります。

『雪にも氷にも強いんだから、雨くらい平気でしょ?』と思いますよね。実は、得意な路面と苦手な路面がはっきりしているタイヤなんです。

JATMA(日本自動車タイヤ協会)は、冬用タイヤは積雪路・凍結路での性能を重視したタイヤだと説明しています。乾いた路面や濡れた路面で使う時は、速度に注意し、急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避けるよう案内しています。

JATMAの資料で見る止まるまでの距離

JATMAの資料には、夏タイヤを100とした時の、スタッドレスの止まるまでの距離の指数が載っています。

路面と条件夏タイヤスタッドレス
濡れた路面・新品・60km/h100115
濡れた路面・新品・100km/h100121
濡れた路面・50%摩耗・60km/h100118
乾いた路面・新品・100km/h100114

条件は、JARI総合試験路で、195/65R15のタイヤを付けた2000ccの乗用車に前席2名が乗った場合です。決まった条件での一例ですが、濡れた路面ではスタッドレスの距離が長くなっていることが分かります。

補足

反対に、雪道では立場が逆になります。JATMAの資料では、積雪路でスタッドレスを100とすると夏タイヤは160でした(195/65R15・2000ccの後輪駆動車・初速度40km/h)。路面に合ったタイヤを使うことが大切なんです。

スタッドレスと夏タイヤの違いはスタッドレスとノーマルタイヤの違いでもくわしく紹介しています。

スタッドレスタイヤが雨に弱い理由

先に結論

スタッドレスタイヤが雨に弱い理由は、柔らかいゴムで水の膜をかき分ける力が弱く、排水の性能も夏タイヤに劣る傾向があるためです。タイヤが水に浮くハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。

『溝が深いんだから、水はよく逃げそうなのに』と不思議に思う方もいますよね。

タイヤメーカーの説明では、夏タイヤの溝は主に水を逃がすためのものです。一方、スタッドレスの溝は、水を逃がすことに加えて、雪をつかんだり氷の上で効いたりする役目も持っています。

比べるところ夏タイヤスタッドレスタイヤ
ゴム冷えると硬くなりやすい低い気温でも柔らかい
溝の役目主に雨の水を逃がす水を逃がすことに加え、雪や氷で効く
濡れた路面得意止まるまでの距離が長くなる傾向
雪道・凍った道苦手得意
スタッドレスタイヤが雨に弱い理由をまとめた図解

ハイドロプレーニング現象とは

ハイドロプレーニング現象は、タイヤと路面の間に水の膜ができて、タイヤが水の上に浮いたような状態になることです。ハンドルもブレーキも効きにくくなります。

JAFのテストのまとめでも、速度が上がるほどハイドロプレーニングが起きやすいとされています。雨の日の高速道路でとくに気をつけたいのはこのためです。

ウェット性能をラベルで比べられない理由

夏タイヤには、雨の日の止まりやすさを等級で表すラベルがあります。JATMAの低燃費タイヤの表示制度で、ウェットグリップ性能をaからdの4段階で示すものです。

ただ、この制度は「スタッドレスタイヤとして販売されるタイヤを除く」とされています。スタッドレスタイヤのウェット性能は、ラベルの等級では比べられないんです。

雨・乾いた路面・高速道路で気をつけること

先に結論

雨の日は速度を落として車間距離を広くとり、乾いた路面では急ブレーキに頼らない運転を心がけます。高速道路では、休憩ごとにタイヤを見ておきましょう。

『具体的に、どこで何に気をつければいいの?』という方のために、場面ごとに並べてみます。

場面起きやすいこと気をつけること
雨の一般道止まるまでの距離が延びる早めのブレーキと広めの車間距離
雨のカーブブレーキをかけると膨らみやすいカーブの手前で減速を終える
乾いた路面夏タイヤより止まりにくく、減りも早い急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避ける
雨の高速道路水に浮きやすい速度を控えめにし、水たまりの多い車線を避ける
高速道路を長く走る時タイヤの異常に気づきにくい2時間に1回程度休憩してタイヤを点検する

高速道路での休憩と点検は、JATMAが案内している目安です。

雨・乾いた路面・高速道路の3つの場面で、スタッドレスタイヤで気をつけることをまとめた図解

JAFのテストで見る雨の日の差

JAFが2015年にテストコースで行ったテストでは、プラットホームが出たスタッドレスと夏タイヤで、まっすぐ走ってブレーキをかけた時の距離を比べています。

条件(JAF 2015年テスト)夏タイヤ(新品に近い溝)スタッドレス(プラットホーム出現)
濡れた路面・60km/h16.7m20.3m
濡れた路面・100km/h47.6m72.2m
濡れた路面でカーブ中にブレーキ・60km/h19.4m26.7m

これはテストコースでの一例です。それでも、濡れた路面で速度が上がるほど差が大きくなる点は覚えておきたいところです。

よくある失敗

「スタッドレスだから冬は安心」と、雨の日も晴れの日と同じ速度で走ってしまうことです。雨の日は、雪道とは別の意味で慎重さが必要になります。

乾いた路面でも差は出る

雨の日ほどではありませんが、乾いた路面でもスタッドレスは止まるまでの距離が長くなる傾向があります。同じJAFのテストの結果は次のとおりです。

条件(JAF 2015年テスト)夏タイヤ(新品に近い溝)スタッドレス(プラットホーム出現)
乾いた路面・60km/h17.0m18.8m
乾いた路面・100km/h47.5m51.1m

JAFは、スタッドレスは乾いた路面でも濡れた路面でも距離が延びるので、路面に合わせて使い分けるのが望ましいとまとめています。

新品のスタッドレスは慣らし走行を

履き替えたばかりの新品は、表面の皮がとれるまで本来の効きが出にくいとされています。タイヤメーカーの案内では、60km/h以下で200km以上の慣らし走行が勧められています。

雨の日に新品へ履き替えた直後は、とくに速度を控えめにしておきましょう。

冬の雨は夜に凍ることも

冬の雨で気をつけたいのは、雨のあとに冷え込む夜や明け方です。JAFの案内では、雨の後に冷え込むと、一見濡れているように見えて表面が凍った「ブラックアイスバーン」ができやすいとされています。

とくに橋の上・トンネルの出入り口・日陰・交差点の停止線の手前は凍りやすい場所です。路面の凍結についてはアイスバーン・路面凍結でスタッドレスは効く?で紹介しています。

梅雨まで履きっぱなしにしてもいい?

先に結論

スタッドレスタイヤを梅雨や夏まで使うことはできますが、雨の日の止まりにくさを受け入れることになります。JATMAは、冬が過ぎたら夏タイヤに戻すことを勧めています。

『履き替えが面倒だから、このまま梅雨も走っちゃおうかな』と考える方もいますよね。

スタッドレスタイヤで梅雨を過ごすと、雨の日が続く時期に、雨に弱いタイヤで走ることになります。どんな道を走るかで考えてみましょう。

梅雨まで使うか迷った時のチェック
  • 雨の日に高速道路や幹線道路を走る予定があるか
  • 溝がスリップサイン(1.6mm)に近づいていないか
  • 夏タイヤが手元にあり、履き替えられる状態か
  • 次の冬もこのスタッドレスを使うつもりか

溝が新品時の50%未満になったスタッドレスは、冬用としては使えません。JATMAは、スリップサインが出るまでは夏用として使えるとしています。

夏まで使う時の注意はスタッドレスタイヤを夏に履きつぶすのはあり?でくわしくまとめています。

履き替えの費用と車の費用を比べたい時

夏タイヤも買い替え時期で、車検も近いと、出費が重なりますよね。タイヤ代をかけて乗り続けるか迷う時は、今の車の価値も比べてみましょう。手放すなら、下取りだけでなく買取店に売る方法もあるので、先に相場を知っておくと判断しやすくなります。

雨の日のスタッドレスについて知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「雨の日に本当に滑るのか」「どのくらい滑るのか」「空気圧を変えたほうがいいのか」という相談が多く読まれています。

ここでは、雨の日のスタッドレスについて多く読まれている相談を要約して紹介します。

「スタッドレスは雨の日にスリップしやすいって本当?」

とても多く読まれている質問です。タイヤメーカーの説明では、柔らかいゴムで水をかき分ける力が弱く、排水性能も劣る傾向があるため、雨の日は滑りやすいとされています。

先ほどのJATMAやJAFのデータでも、濡れた路面では夏タイヤより止まるまでの距離が長くなっています。「滑りやすい」というより「止まりにくい」と考えると、運転で気をつけることが見えてきますよ。

「雨の日は空気圧を上げたほうがグリップする?」

タイヤメーカーの案内では、スタッドレスの空気圧は基本的に車の指定空気圧と同じで、スタッドレスだからといって変わらないとされています。

雨だからと自己流で変えるより、指定空気圧に合わせておくことが大切です。気温が下がると空気圧も下がりやすいので、冬はこまめに確かめておきましょう。

「新品と減ったスタッドレス、雨に強いのはどっち?」

JATMAの資料では、新品も50%摩耗も、濡れた路面では夏タイヤより止まるまでの距離が長くなっていました。どちらが有利かは速度などの条件で変わり、一概には言えません。

「新品なら雨でも大丈夫そう」
「でも、新品でも夏タイヤよりは止まりにくいんだって」

新品かどうかより、雨の日の速度を控えめにすることを優先しましょう。

「スタッドレスで雨の道を走るのは、圧雪路を走るより危険?」

雨の日と雪の日、どちらが危ないのかという相談です。

路面もタイヤの得意不得意も違うので、単純には比べられません。雪道ではスタッドレスが夏タイヤより止まりやすく、雨の日は逆に夏タイヤのほうが止まりやすい、という関係です。

どちらの日も、スタッドレスに頼り切らないことが大切です。路面に合わせて速度を落とし、車間距離を広めにとって走りましょう。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

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よくある質問

スタッドレスタイヤは雨の日にどのくらい滑りますか?

決まった数字はありませんが、JAFの2015年のテストでは、濡れた路面・100km/hで夏タイヤ47.6mに対し、プラットホームの出たスタッドレスは72.2mでした。テストコースでの一例です。

スタッドレスタイヤのウェット性能はどう比べればいいですか?

低燃費タイヤの表示制度はスタッドレスを除いているため、ウェットグリップの等級では比べられません。メーカーのカタログや説明で、濡れた路面への配慮を確かめるのが一つの方法です。

雪解けのシャーベット路面も苦手ですか?

水分の多い路面では、雨の日と同じく水の膜ができやすくなります。速度を落とし、わだちや水たまりを避けて走りましょう。

冬の雨の日はスタッドレスと夏タイヤのどちらがいいですか?

雨だけなら夏タイヤが得意ですが、夜に冷え込むと路面が凍ることがあります。冬の間はスタッドレスのまま、速度を控えめにして走るのが現実的です。

まとめ

この記事の要点
  • スタッドレスは濡れた路面では夏タイヤより止まるまでの距離が長くなる傾向がある
  • 雨に弱い理由は、柔らかいゴムと、雪や氷も意識した溝の作りにある
  • スタッドレスはウェットグリップの等級表示の対象外
  • 雨の日は速度を落とし、高速道路では休憩ごとにタイヤを見る
  • 冬の雨のあとは、夜や明け方の路面凍結にも気をつける
スタッドレスタイヤガイド

スタッドレスタイヤガイド 編集部

スタッドレスタイヤの選び方・サイズの見方、履き替えの時期と交換の方法、寿命の見分け方、保管と処分、冬の道路の規制、タイヤの費用がかさんだ時に今の車を乗り続けるか手放すかの判断まで、公的機関とメーカーの公式情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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