雪が降らない地域でスタッドレスタイヤは必要か?年に数回の雪への備え方

うっすら雪の積もった住宅街を走る乗用車のシルエットと、雪が降らない地域でスタッドレスが必要かを考える記事タイトル

当サイトは国土交通省・警察・JAF・日本自動車タイヤ協会(JATMA)など公的機関や団体の公開情報と、自動車・タイヤメーカーの公式情報をもとに編集部が独自に執筆しています。タイヤのサイズや指定空気圧、締め付けトルクは車種・年式によって異なるため、お乗りの車の取扱説明書や車体の表示で確認してください。冬用タイヤの規制やチェーン規制は道路・地域・時期で変わるため、お出かけ前に道路管理者や警察の最新情報を確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

雪が積もるのは年に1回あるかないか。『それなのにスタッドレスを買うのはもったいないかな』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、雪が降らない地域でスタッドレスタイヤが必要かは、「雪の日に車を使うかどうか」と「雪の多い場所へ出かけるかどうか」で決まります。雪の日は乗らないと決められるなら、なくても困らないこともあります。

まずは去年の冬を思い出して、雪や凍結の日に車を使ったかを書き出してみてください。この記事では、用意するかを決める判断表と、スタッドレス以外の備え方を紹介します。

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目次

雪が降らない地域でもスタッドレスタイヤは必要か?

先に結論

雪がほとんど降らない地域でも、雪や凍結の日に車で出かける可能性があるなら、何らかの備えは必要です。逆に、その日は車に乗らないと決められるなら、スタッドレスを買わない選択もあります。

『温暖化で雪なんてほとんど降らないし、スタッドレスって無駄じゃない?』と思う方もいますよね。ふだんの生活で困らないのは、その通りだと思います。

ただ、問題になるのは「年に数回の雪の日」なんです。雪に慣れていない地域ほど、少しの積雪でも道路が混乱しやすくなります。

JAFは2017年2月、北海道のテストコースでブレーキのテストを行っています。40km/hから急ブレーキをかけた時の止まるまでの距離(新品タイヤ・3回の平均)は、圧雪路でスタッドレス17.3m、ノーマルタイヤ29.9mでした。ノーマルタイヤは、スタッドレスの約1.7倍の距離が必要だったことになります。

国土交通省中国地方整備局も、大雪の時にノーマルタイヤの車が1台でもいると立ち往生の可能性があると呼びかけています(令和8年1月の記者発表)。自分が止まれないだけでなく、周りの車の流れまで止めてしまうおそれがあるということです。

補足

スタッドレスタイヤの必要性は、地域の雪の量だけでは決まりません。「その日に車を使うか」「代わりの移動手段があるか」で、同じ地域でも答えが変わります。

スタッドレスタイヤの基本は、スタッドレスタイヤの基礎知識でまとめています。

スタッドレスを用意するかを決める判断表

ここが大事

判断のポイントは「雪の回数」「雪の日に車を使うか」「行き先」「代わりの移動手段」の4つです。この4つを自分に当てはめると、スタッドレスが必要か、別の備えで足りるかが見えてきます。

『結局、うちは買うべきなの?』という方のために、状況ごとの考え方を表にまとめました。

雪の回数雪の日に車を使うか雪の多い場所へ行くか代わりの移動手段考えられる備え
年に数回あるかないか使わない(休める・在宅できる)行かないある雪の日は乗らない
年に数回あるかないか通勤・送迎で使う行かないないスタッドレスかオールシーズンを考える
年に数回使うスキーや帰省で行くないスタッドレスを用意する
ほとんどない使わない年に1〜2回だけ行くある行く時だけレンタカーを借りる
どの地域でもほとんど乗らない行かないある今の車を売って、必要な時だけ借りる

例えば、雪の日でも通勤に車を使うしかないなら、何も備えないのは心配です。一方で、雪の日は電車やバスで出かけられて、雪の多い場所にも行かないなら、スタッドレスを買わなくても困らないかもしれません。

スタッドレスタイヤを用意するかを雪の回数・車を使うか・行き先・代わりの手段で決める判断表の図解

自分の冬の使い方を書き出してみる

判断表に当てはめる前に、去年の冬の使い方を書き出しておくと迷いにくくなります。

書き出しておきたいこと
  • 去年の冬、雪や凍結で車を使えなかった日は何日あったか
  • 雪の日に休めない用事(通勤・送迎・通院など)があるか
  • 冬に雪の多い地域へ出かける予定があるか
  • 車の代わりに使える電車やバスがあるか
  • スタッドレスを置いておく場所があるか

『雪の日は休めばいい』と思っていても、家族の送り迎えなど、どうしても車が要る日があるかもしれません。具体的な用事を思い浮かべてみてください。

雪の日にノーマルタイヤで走るとどうなる?

先に結論

雪や凍結した道でノーマルタイヤのまま走ると、止まれない危険があるうえ、都道府県の規則で決められた滑り止めの措置に違反する場合があります。違反は反則金の対象です。

『少しの雪なら、ゆっくり走れば大丈夫でしょう』と考える方もいるかもしれません。でも、雪道の決まりは思っているより身近なんです。

積雪や凍結した路面での滑り止めの措置は、各都道府県の規則(道路交通法施行細則など)で決められています。JATMA(日本自動車タイヤ協会)の整理では、沖縄県を除く都道府県に規定があります。

項目内容
決めているところ各都道府県の公安委員会の規則(中身は都道府県ごとに違う)
東京都の例積雪や凍結で明らかに滑ると認められる道路では、チェーンを付けるなど滑り止めの措置をとる
神奈川県の例積雪の場所を通る時は、タイヤに鎖を巻くか特殊タイヤを使うなど滑らないようにする
反則金(2026年10月時点)大型車7,000円・普通車6,000円・二輪車6,000円・原付5,000円

国土交通省関東地方整備局なども、令和7年12月の記者発表で、積雪や凍結した道路で滑り止めの措置をとらずに運転するのは法令違反だと呼びかけています。同じ発表では、ノーマルタイヤだけでなく、スノーフレークマークのないオールシーズンタイヤも、車の立ち往生や通行止めの原因になりうるとしています。

坂道では、少しの雪でも上れないことがある

雪が少ない地域でも、家の近くに坂道があるなら要注意です。JAFが2017年2月に行った登坂テストがあります。前輪駆動のコンパクトカーで圧雪の勾配12%の坂を上ったところ、平らなところから発進して上れなかったのはノーマルタイヤだけでした。

『うちの前の坂くらいなら』と思っていても、雪が積もると上れなくなることがあるわけです。坂の多い場所に住んでいる方は、判断表の「雪の日に車を使うか」を慎重に考えてみてください。

高速道路の冬用タイヤ規制とチェーン規制

高速道路では、雪の時に「冬用タイヤ規制」が出ることがあります。NEXCO西日本によると、この規制中は冬用タイヤかチェーンなどの滑り止めがない車は走れません。

さらに異例の大雪の時は、スタッドレスでもチェーンがないと通れない「チェーン規制」が行われることがあります。規制の違いは冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いでくわしく紹介しています。

よくある失敗

朝は晴れていたのに、帰りに雪が降り始めて動けなくなった。雪に慣れていない地域では、こうしたケースが起きがちです。天気予報で雪のマークを見たら、その日は車を使わない、使うなら備えをしてから出かける、と決めておきましょう。

雪の日にどうしても出かけるなら

国土交通省中国地方整備局は、大雪の時は外出を控え、やむを得ず出かける時は次のような準備をするよう呼びかけています(令和8年1月の記者発表)。

雪の日に出かける前の準備
  • 燃料を満タンにしておく
  • 冬用タイヤを確実に付ける
  • チェーン・スコップ・砂などを積んでおく
  • 立ち往生に備えて、水や食料を用意する

同じ発表では、降雪時は冬用タイヤだけでは立ち往生することがあるので、早めにチェーンを付けるよう案内しています。スタッドレスを履いていても、雪の降り方によっては足りない場面があるということです。

スタッドレス以外の備え方を比べる

先に結論

雪の日の備えはスタッドレスだけではありません。オールシーズンタイヤ、チェーン、レンタカー、雪の日は乗らない、という選択肢もあります。それぞれできることとできないことがあるので、使い方に合うものを選びましょう。

『スタッドレスを買うほどではないけど、何もしないのは不安』という方も多いですよね。主な備え方を比べてみました。

備え方できること気をつけたいこと
スタッドレス雪道・凍結路で止まる・曲がる力が高い保管場所と履き替えの手間がいる
オールシーズン(スノーフレークマーク付き)夏も冬も履ける。冬用タイヤ規制でも走れる(JAF)凍った道ではスタッドレスに劣る。チェーン規制ではチェーンが要る
チェーンだけ必要な時だけ付けられる付ける練習が要る。付けない側の2輪は夏タイヤのまま
レンタカー雪の多い場所へ行く時だけ借りられる冬タイヤの装着は予約時に確認する
雪の日は乗らない費用も手間もかからない急な用事に対応できない

オールシーズンタイヤ

オールシーズンタイヤは、夏タイヤの性能に加えて、ある程度の雪道も走れるタイヤです。JAFによると、側面にスノーフレークマークがあるものは、高速道路で冬用タイヤ規制が出ていても走れます。

ただ、凍った道でのグリップや止まる力はスタッドレスに劣ります。先ほどのJAFのテストでは、圧雪路の止まるまでの距離がスタッドレス17.3mに対してオールシーズン22.7mでした。くわしくはオールシーズンタイヤとスタッドレスの違いで比べています。

チェーンだけで備える

ノーマルタイヤにチェーンを積んでおき、雪の時だけ付けるという方法もあります。ただ、JAFは、チェーンを付けない2輪は夏タイヤのままなので、下りのカーブなどで運転が難しい場面があると説明しています。

また、雪が降ってから慣れない作業をするのは大変です。チェーンで備えるなら、晴れた日に一度付ける練習をしておきましょう。

レンタカーやサブスクを使う

JAFは、雪があまり降らない地域では、雪道を走る時にレンタカーを使う方法もあると案内しています。冬はスタッドレスに履き替えていることが多いものの、念のため予約の時に確かめるようすすめています。

スタッドレスを買わずに借りる方法は、スタッドレスタイヤのレンタル・サブスクで紹介しています。

雪の日の備え方をスタッドレス・オールシーズン・チェーン・レンタカー・乗らないの5つで比べた図解

関東などでのスタッドレスタイヤの交換時期

先に結論

雪が少ない地域でスタッドレスを用意するなら、雪の予報が出てからではなく、冷え込みが始まる頃に履き替えておくと慌てずに済みます。目安にしたいのは、最低気温と雪の予報です。

『関東だと、スタッドレスタイヤの交換時期はいつ頃?』という疑問はよく聞きます。雪が少ない地域ほど、いつ替えればいいか迷いますよね。

ブリヂストンは、最低気温が3℃以下になると路面の温度が氷点下になるおそれがあると説明しています。天気予報で最低気温が下がってきたら、履き替えを考えるサインです。

タイミング考え方
冷え込みが始まった頃最低気温を見て、履き替えの予約を考える
初雪の予報が出た時店が混みやすいので、予報が出る前に済ませたい
冬の間雪がなくても、凍結しやすい朝晩に備える
冬が過ぎた頃JATMAは冬が過ぎたら夏用タイヤへの交換をすすめている
雪が降り始めた駐車場に止まる乗用車。雪の予報が出た日に車を使うかを考える場面の写真

関東のように雪が少ない地域では、雪の予報が出た途端に履き替えの予約が集中しがちです。混み具合を考えて、少し早めに動いておくと安心です。

地域ごとの履き替えの目安はスタッドレスタイヤはいつから履く?でくわしく紹介しています。

雪が少ない地域でスタッドレスを履く時の注意

雪がない日は、スタッドレスで乾いた道や濡れた道を走る時間が長くなります。JATMAの掲載データ(特定の試験条件)では、乾いた路面や濡れた路面で止まるまでの距離は、夏用タイヤよりスタッドレスの方が長くなっていました。

雪のない道をスタッドレスで走る時に気をつけること
  • 雨の日はスピードを控えめにする
  • 車間距離をふだんより長めにとる
  • 急ブレーキ・急ハンドルを避ける
  • 冬が終わったら早めに夏タイヤに戻す

車ごと手放すなら、タイヤ代と車の価値を比べる

先に結論

スタッドレスを新しく買うか迷う時期は、今の車をこの先どうするかを考えるきっかけにもなります。タイヤ代・車検・修理の費用と、今の車の価値を並べて比べてみてください。

『雪の日以外はほとんど車に乗っていない』という方は、スタッドレスの前に、車そのものが必要かを考えてみてもいいかもしれません。

状況考え方
タイヤ代と車検の費用が重なる費用と、今の車を売った時の価値を比べる
車に乗る日がかなり減った必要な時だけ借りる暮らしに切り替える道もある
スタッドレスがまだ新しい車と一緒に査定してもらうか、外して売るかを比べる
不調がある修理して乗り続けるか、手放すかを見積もりで比べる

下取りだけでなく、買取店に売る方法もある

車を手放す方法は、販売店での下取りだけではありません。車の買取店に売る方法もあり、複数の店で査定してもらうと今の車の相場が分かりやすくなります。

スタッドレスを付けたまま売るか、外して別に売るかは、店によって評価の仕方が違います。査定の時に一緒に聞いておきましょう。

売る時に気をつけたいこと

国民生活センターは、修復歴や事故歴を知っている場合は査定の時に申告するよう案内しています。車の売却はクーリング・オフの対象外なので、キャンセルの条件も契約の前に確かめておきましょう。

不調や傷も、査定の時に正直に伝えておくと、後から話がこじれにくくなります。スタッドレスにかかる費用の全体像は、スタッドレスタイヤにかかる費用の全体像で紹介しています。

スタッドレスタイヤが必要か迷う人のよくある相談

スタッドレスタイヤが必要か迷っている人から、よく聞かれる相談を3つ取り上げます。

スタッドレスって、本当に必要?無駄じゃない?

『北海道ならともかく、ほかの地域では雪がほとんど降らない。スタッドレスは無駄では?』という相談です。

雪の日に車を使わないと決められるなら、無駄に感じるのは自然なことです。ただ、雪の日でも車を使うなら、止まれない危険と規則の両方を考える必要があります。この記事の判断表に、自分の冬の使い方を当てはめてみてください。

スタッドレスを1年中履きっぱなしにしたら、どれくらい持つ?

『夏も履きっぱなしにしたら、寿命はどのくらい?』という相談です。

何年持つかは使い方で変わり、一律には言えません。ブリヂストンは、スタッドレスはゴムが柔らかいので夏に使うと夏用タイヤより早く減ると説明しています。JATMAも、冬が過ぎたら夏用タイヤへの交換をすすめています。

履きっぱなしにする場合の注意は、スタッドレスタイヤを夏に履きつぶすのはあり?で紹介しています。

関東でスタッドレスに替えるのは、いつ頃がいい?

『東北から関東に引っ越した。関東ではいつ頃タイヤを替えるもの?』という相談です。

関東の平地は雪が少なく、毎年同じ時期に雪が降るとは限りません。最低気温が下がってきた頃や、雪の予報が出る前を目安にするのがおすすめです。山沿いへ出かける予定があるなら、その日より前に済ませておきましょう。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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よくある質問

雪が降らない地域でスタッドレスタイヤは必要か、どう決めればいいですか?

雪の日に車を使うかどうか、雪の多い場所へ出かけるかどうかで決めるのがおすすめです。雪の日は乗らないと決められるなら、スタッドレスを買わない選択もあります。通勤や送迎で使うなら、何らかの備えを考えておきましょう。

ノーマルタイヤで雪道を走ると違反になりますか?

積雪や凍結した道路での滑り止めの措置は、都道府県の規則で決められています。内容は都道府県ごとに違いますが、違反は反則金の対象です(2026年10月時点で普通車6,000円)。

オールシーズンタイヤがあればスタッドレスはいりませんか?

スノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤなら、高速道路の冬用タイヤ規制でも走れます(JAF)。ただ、凍った道ではスタッドレスに劣り、チェーン規制ではチェーンが必要です。凍結しやすい道を走るかどうかで考えてみてください。

チェーン規制は雪の多い地域だけの話ですか?

チェーン規制は、異例の大雪の時に、過去に立ち往生などが起きた峠などの区間で行われます。国土交通省の一覧には、山梨県・静岡県の国道や中央道の区間なども載っています。出かける先の道路情報を、出発前に確かめておきましょう。

スタッドレスを買わずに、雪の日だけ乗り切る方法はありますか?

雪の日は車を使わない、行く時だけレンタカーを借りる、チェーンを積んでおく、といった方法があります。レンタカーは冬タイヤが付いているかを予約の時に確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • スタッドレスタイヤが必要かは「雪の日に車を使うか」「雪の多い場所へ行くか」で決まる
  • 判断は雪の回数・車を使うか・行き先・代わりの手段の4つで考える
  • 雪の日のノーマルタイヤは止まれない危険があり、規則違反になる場合もある
  • オールシーズン・チェーン・レンタカーなど、スタッドレス以外の備えもある
  • 費用が重なる時は、今の車の価値と比べて乗り換えや売却も選択肢になる

まずは去年の冬に、雪の日に車を使ったかを思い出してみてください。それだけで、スタッドレスが必要かどうかの答えがかなり見えてきます。

スタッドレスタイヤガイド

スタッドレスタイヤガイド 編集部

スタッドレスタイヤの選び方・サイズの見方、履き替えの時期と交換の方法、寿命の見分け方、保管と処分、冬の道路の規制、タイヤの費用がかさんだ時に今の車を乗り続けるか手放すかの判断まで、公的機関とメーカーの公式情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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