車検とタイヤ交換が重なった時の考え方|乗り続けるか手放すか

整備工場で点検中の乗用車とタイヤに、車検とタイヤ交換が重なった時の考え方を紹介する記事タイトル

当サイトは国土交通省・警察・JAF・日本自動車タイヤ協会(JATMA)など公的機関や団体の公開情報と、自動車・タイヤメーカーの公式情報をもとに編集部が独自に執筆しています。タイヤのサイズや指定空気圧、締め付けトルクは車種・年式によって異なるため、お乗りの車の取扱説明書や車体の表示で確認してください。冬用タイヤの規制やチェーン規制は道路・地域・時期で変わるため、お出かけ前に道路管理者や警察の最新情報を確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

車検の見積もりを見たら、タイヤ4本の交換まで入っていて驚いた。そんな経験、ありませんか。

結論から言うと、車検とタイヤ交換が重なった時は「車検に通るための交換か」「安全のために勧められた交換か」を分けて考えるのが近道です。そのうえで、タイヤ代をかけて乗り続けるか、乗り換えるかを比べます。

まずは見積もりの中のタイヤの項目と、今のタイヤの溝・製造年週を見てみてください。この記事では、車検で見られる基準と、判断の材料を順に紹介します。

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目次

車検とタイヤ交換が重なったら最初に確かめること

先に結論

タイヤ交換の理由が「このままだと車検に通らない」なのか、「通るけれど交換を勧める」なのかで、急ぎ度合いが変わります。理由を聞いてから、交換・時期の先送り・乗り換えを考えましょう。

『車検でタイヤ交換が必要です』と言われると、もう選択肢がないように感じますよね。

実は、言われ方は大きく2通りあります。1つは溝が足りないなど、検査の基準に届かないケースです。もう1つは、今回は通るけれど、次の車検までにすり減ったり劣化したりしそうなので勧められているケースです。

見積もりを受け取ったら確かめること
  • タイヤ交換が「車検に通すため」か「予防のため」かを聞く
  • 交換が必要な理由(溝・ひび割れ・傷・年数)を具体的に聞く
  • 4本すべてか、一部だけでよいのかを聞く
  • タイヤ代・工賃・処分などの内訳を分けてもらう
  • 今のタイヤの製造年週と残り溝を控えておく

理由を聞く時の言い方の例

店の人に聞くのは気が引ける、という方もいるかもしれません。でも、理由を確かめるのは普通のことです。

例えば、こんなふうに聞いてみてください。

「このタイヤは、今回の車検に通らない状態ですか?」

「通りはしますが、溝が少ないので次の車検までは持たないと思います」

ここまで分かれば、今日交換するか、別の店で見積もりを取るか、落ち着いて考えられますよね。

今のタイヤの年数も見ておく

タイヤの側面には、製造された週と年を表す4桁の数字があります。JATMA(日本自動車タイヤ協会)によると、例えば「1220」なら2020年の12週目の製造です。

JATMAは、使い始めて5年以上のタイヤは店で点検を、製造から10年のタイヤは溝があっても交換を勧めています。数字の読み方はタイヤの製造年の見方で紹介しています。

車検で見られるタイヤの基準

車検で見られるタイヤの基準と、交換を勧められた時に確かめることをまとめた図解
ここが大事なところです

車検(継続検査)では、溝の深さ・破損・空気圧・負荷能力・はみ出しなどが見られます。溝はどの部分も1.6mm以上が基準で、スリップサインで判定してもよいとされています。

『タイヤのどこを見られるの?』と気になりますよね。継続検査の審査の決まり(審査事務規程)では、タイヤについて次のような点が見られます。

見られる項目基準の中身
溝の深さ接地部の溝のどの部分も1.6mm以上(スリップサインで判定してよい)
破損亀裂やコード層の露出など、著しい破損がないこと
空気圧適正であること
負荷能力1本にかかる重さが、タイヤの負荷能力(ロードインデックス)以下であること
はみ出しタイヤやホイールが車体より外にはみ出していないこと(乗用車は条件つきで10mm未満ははみ出しとみなさない)

スリップサインは溝の「1.6mm」の目印

スリップサインは、溝の底に設けられた少し高い部分です。公的な文書では「ウエア・インジケータ」と呼ばれています。

溝が減ってこの目印が1か所でも出てきたら、そのタイヤは基準を下回っていると考えてください。溝の測り方は車検のタイヤの基準でくわしく紹介しています。

スタッドレスを履いたまま車検を受ける時

冬の時期の車検だと、スタッドレスを履いたまま出す方も多いはずです。スタッドレスでも、車検で見られる基準は夏タイヤと同じです。

ここで注意したいのが、プラットホームとの関係です。保安基準の溝の測り方では、プラットホームやサイプの部分は測る対象から外されています。

車検に通ることと冬に使えることは別

スタッドレスのプラットホームは、残り溝が新品時の50%になると出てくる目印です。JATMAは、プラットホームが出たら冬用タイヤとしては使わないよう案内しています。車検に通っても、冬道で使えるとは限りません。

車検でタイヤ交換を勧められた時の費用の見方

先に結論

車検でのタイヤ交換費用の相場は、サイズ・銘柄・店によって大きく変わるため、決まった金額はありません。金額だけで比べず、内訳と交換の理由をそろえて比べるのが確実です。

『車検でタイヤ交換って高いの?相場はいくら?』という疑問はとても多いです。ただ、タイヤの値段には公的な基準がなく、同じ店でも銘柄で差が出ます。

そこで、この記事では金額ではなく「何で金額が決まるか」を見ていきますね。

金額を左右するもの確かめたいこと
タイヤのサイズ車検証や側面の表示のサイズ。インチが大きいほど選び方が変わる
銘柄(商品)在庫から選ぶのか、取り寄せか。ほかの銘柄も選べるか
本数4本か、2本か。一部だけでよい理由があるか
工賃脱着・組み換え・バランス調整が含まれているか
付帯作業エアバルブの交換、廃タイヤの処分が別の項目になっているか
時期冬前の混む時期か。急ぎで決める必要があるか

「車検でタイヤ交換は高い」と感じやすい理由

車検の見積もりは、点検・整備・法定費用がまとめて出てきます。そこにタイヤ4本が乗ると、合計が一気に大きく見えるんですよね。

加えて、車検の日に合わせて決めるので、ほかの店と比べる時間が取りにくいこともあります。交換が予防のためなら、タイヤだけ別の日に、別の店で見積もりを取る選択肢もあります。

見積もりを比べる手順
  1. 車検の見積もりのタイヤの項目を、タイヤ代・工賃・処分などに分けてもらう
  2. 交換の理由と、急ぐ必要があるかを確かめる
  3. 同じサイズで、別の店でも見積もりを取る
  4. 銘柄・本数・作業の中身をそろえて比べる
  5. 車検と同時に替えるか、別の日に替えるかを決める

自分の数字で比べる表

比べる時は、次のような表に見積もり額を書き込むと分かりやすいですよ。金額は空欄にしてあるので、もらった見積もりを入れてみてください。

項目車検の店別の店
タイヤ代(銘柄・本数)見積もり額見積もり額
工賃(脱着・組み換え・バランス)見積もり額見積もり額
エアバルブ見積もり額見積もり額
廃タイヤの処分見積もり額見積もり額
合計見積もり額見積もり額

費用の内訳のくわしい見方は、タイヤ交換の費用で紹介しています。

軽自動車の車検でのタイヤ交換

軽自動車の車検でも、タイヤの基準は同じです。費用は、サイズ(145・155・165など)や銘柄によって変わります。

軽自動車は車体が小さい分、タイヤ代の割合が車検全体の中で大きく感じることも。だからこそ、交換の理由と内訳を一度確かめておくと安心です。

車検でのタイヤ交換に持ち込みはできる?

ネットなどで買ったタイヤを、車検の時に持ち込んで付けてもらいたい方もいますよね。持ち込みを受けるかどうか、工賃をどうするかは店ごとに違います。

車検を頼む店に、持ち込みができるか、工賃はいくらかを先に聞いておきましょう。持ち込みの考え方はタイヤ交換の持ち込みとはで紹介しています。

直して乗る・最小限で通す・手放すを比べる判断表

先に結論

車検とタイヤ交換が重なった時の選択肢は、大きく3つです。タイヤ交換の目安に近いかどうかと、車をあと何年乗るつもりかで比べると決めやすくなります。

『タイヤを替えて乗り続けるべき?それとも乗り換え?』と迷う時は、次の表で今の状況を当てはめてみてください。

車検とタイヤ交換が重なった時の3つの選択肢を比べた図解
選択肢向いている状況気をつけたいこと
タイヤも替えて乗り続けるあと数年は乗るつもり。車に大きな不調がないタイヤ代と車検代が同じ時期に出る
車検に必要な分だけで通す溝はあるが、予防で交換を勧められた次の車検までの安全は、点検しながら判断する
車を売って乗り換えるタイヤ以外の修理も重なっている。乗り換えを考えていた車検の前に査定額を聞いておくと比べやすい

タイヤ交換の目安に近いかを見る

JAFは、タイヤ交換の目安として、使い始めから4〜5年、走行約3万km、残り溝4mm以下を挙げています。JATMAは、使い始めて5年以上で点検、製造から10年で交換を勧めています。

今のタイヤがこの目安に近いなら、車検で通っても、次の車検までに交換が必要になる可能性が高いです。交換時期の考え方は車のタイヤ交換の目安で紹介しています。

あと何年乗るかで考える

もう1つの軸が、この車にあと何年乗るつもりかです。車検は自家用の乗用車なら、2回目以降は2年ごとにやってきます。

例えば、次の車検の前に乗り換える予定なら、2年使えるタイヤかどうかが目安になります。逆に、この先も長く乗るなら、今のうちにまとめて替えたほうが手間は少なくて済みます。

『次の車検までに乗り換えるかも』という迷いがあるなら、交換を決める前に査定額を一度聞いておくのも手です。数字が並ぶと、どちらに寄せるか決めやすくなりますよ。

「最小限で通す」時の注意

『とりあえず2本だけ替えて通せない?』と考える方もいますよね。

JATMAは、4本とも同じサイズ・種類・構造のタイヤを選ぶことを基本にしています。同じ車軸(左右)に違うタイヤを混ぜることも避けるよう案内しています。

4WD車は特に注意

メーカーの中には、4WD車で一部のタイヤだけを替えると駆動系の故障の原因になる場合がある、と案内しているところもあります。2本だけの交換を考える時は、店に相談してから決めてください。

1本・2本だけの交換の考え方は、タイヤは1本だけ・2本だけ交換してもいい?でくわしく紹介しています。

スタッドレスの準備とも重なる時

冬前に車検がある方は、夏タイヤの交換とスタッドレスの準備が同じ時期に重なります。

例えば、夏タイヤの溝が少なく、スタッドレスも年数がたっている場合を考えてみましょう。この時は、2組のタイヤの費用が一度にかかる可能性があります。

車検と同時に替える
  • 1回の入庫で済み、手間が少ない
  • 交換後すぐに車検の検査を受けられる
  • スタッドレスへの履き替えも一緒に頼める場合がある
車検とは別の日に替える
  • 別の店とも見積もりを比べられる
  • 銘柄をゆっくり選べる
  • 入庫の回数が増える

車ごと手放すなら考えておきたいこと

先に結論

タイヤ・車検・修理の費用が重なる時は、その合計と今の車の価値を比べてみると判断しやすくなります。下取りだけでなく買取店に売る方法もあり、複数の店の査定額を比べると相場が分かります。

『車検代にタイヤ代まで払うなら、いっそ乗り換えたほうがいいのかな』と思う方も多いはずです。

ここで大事なのは、費用だけを見ないことです。これから払う費用と、今売ったらいくらになるかを並べて比べてみてください。

車検の前に、これから払う費用と今の車の査定額を並べて比べる手順の図解
手放すか迷った時に並べる数字
  • 車検の見積もり額(タイヤ交換を含む・含まない両方)
  • ほかに近いうちに必要な修理の見積もり額
  • 今の車の査定額(下取り・買取店の両方)
  • 次の車にかかる費用のおおよその見込み

車検の前に査定額を聞いておく

車検を通してから売るか、通す前に売るかで迷う方もいますよね。車検の費用が売値にどれだけ反映されるかは、車によって違うので一概には言えません。

だからこそ、車検の前に一度査定額を聞いておくと比べやすくなります。なお、今は満了日の2か月前から車検を受けても、残りの有効期間は減らない仕組みです(国土交通省・令和7年4月1日から)。

車検が切れる前に動きたい理由

普通車は、車検が切れていると名義変更ができません(運輸支局の案内)。軽自動車は車検切れでも名義変更ができます。

売ることも考えているなら、車検の満了日に余裕があるうちに査定を受けておくと、選べる道が増えますよ。

税金の扱いも知っておく

自動車税が月割で戻るのは、普通車を抹消登録(廃車)した時だけです。売って名義が変わるだけでは月割で戻る仕組みはなく、軽自動車はそもそも月割がありません。売る時期を考える時の材料にしてみてください。

スタッドレスは付けたまま?外して売る?

冬にスタッドレスを履いている時期は、付けたまま売るか、夏タイヤに戻すかも迷うところです。

スタッドレスを次の車で使えるかは、サイズが合うかで決まります。付けたまま売る時の考え方は、スタッドレスタイヤ付きで車を売るとどうなる?で紹介しています。

売る時に知っておきたい注意

国民生活センターは、車の売却について次のような点に気をつけるよう案内しています。

気をつけること中身
修復歴・事故歴知っている場合は査定の時に申告する
その場での契約査定の場では契約せず、一度冷静に考える
クーリング・オフ車の売却はクーリング・オフの対象外
キャンセル料金額と、いつから発生するかを契約前に確かめる
代金の支払い支払いの条件を契約時に確かめる

タイヤのすり減りや不調も、分かっていることは正直に伝えておくと、あとで話がこじれにくくなります。

車検とタイヤ交換についての知恵袋の相談

先に結論

知恵袋では、「溝があるのに全部交換と言われた」「店によって判断が違う」「車検の時にスタッドレスに替えてほしい」といった相談がよく読まれています。

よく読まれている相談を要約して、答えていきますね。

「溝はまだあるのに、4本とも交換と言われた」

車検の時に、溝が残っているのに全部交換したほうがいいと言われ、本当に必要か迷っている相談です。

交換の理由は、溝だけとは限りません。ひび割れや年数、片減りが理由のこともあります。

まずは「車検に通らない状態か、予防のための提案か」を聞いてみてください。予防のためなら、別の店で見てもらってから決めても遅くありません。

「2つの店で、交換不要と4本交換で見解が分かれた」

見積もりを2か所で取ったら、片方は交換不要、もう片方は4本とも交換と言われた、という相談です。

『どっちを信じればいいの?』と迷いますよね。審査の基準(溝1.6mm・著しい破損がない等)を満たすかと、次の車検まで安心して使えるかは、別の判断です。店ごとに後者の考え方が違うと、見解が分かれることがあります。

それぞれの店に、交換を勧める理由を具体的に聞いてみましょう。溝の深さ、ひびの場所、製造年週など、根拠がそろえば比べやすくなります。

「車検の時にスタッドレスへ替えてもらえる?」

冬前の車検で、ついでにスタッドレスタイヤへ履き替えてほしいという相談です。

頼めるかどうか、工賃がどうなるかは店によって違います。車検の予約の時に「スタッドレスへの履き替えも一緒にできますか」と聞いておくと安心です。外した夏タイヤを持ち帰るか、保管を頼むかも決めておきましょう。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

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よくある質問

車検でタイヤ交換を勧められたら、しないといけませんか?

溝が1.6mm未満だったり、著しい破損があったりすると、検査の基準を満たしません。一方で、基準は満たしているけれど予防として交換を勧められる場合もあるので、理由を確かめてから決めましょう。

車検でのタイヤ交換の目安は?

検査の基準は溝1.6mm以上です。交換の目安としては、JAFが使い始めから4〜5年・走行約3万km・残り溝4mm以下を挙げ、JATMAが製造から10年での交換を勧めています。

車検のタイヤ交換費用の相場はいくらですか?

サイズ・銘柄・本数・店によって変わるため、決まった相場はありません。タイヤ代・工賃・処分などの内訳をそろえて、2か所以上で見積もりを比べるのがおすすめです。

スタッドレスタイヤのままでも車検に通りますか?

スタッドレスでも、溝や破損などの基準は夏タイヤと同じです。ただし、プラットホームが出たスタッドレスは冬用タイヤとしては使わないようJATMAが案内しています。

車検とタイヤ交換が重なったら、車を売ったほうがいいですか?

一概には言えません。車検・タイヤ・修理の費用の合計と、今の車の査定額を並べて比べてみてください。下取りだけでなく買取店の査定も聞くと判断しやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 車検でのタイヤ交換は「通すために必要」か「予防の提案」かをまず確かめる
  • 車検の基準は、溝1.6mm以上・著しい破損がない・空気圧・負荷能力・はみ出し
  • 費用の相場は決まっていないので、内訳をそろえて見積もりを比べる
  • 乗り続ける・最小限で通す・売って乗り換えるを、目安の年数と今後の予定で比べる
  • 手放すなら、車検の前に下取りと買取店の両方で査定額を聞いておく
スタッドレスタイヤガイド

スタッドレスタイヤガイド 編集部

スタッドレスタイヤの選び方・サイズの見方、履き替えの時期と交換の方法、寿命の見分け方、保管と処分、冬の道路の規制、タイヤの費用がかさんだ時に今の車を乗り続けるか手放すかの判断まで、公的機関とメーカーの公式情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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